■1月19日(金) 15:00より図書室において、H研修部長を中心に学級経営の交流研修を行いました。
学級経営交流は、12月に各学級において実施した「アセス」(学校環境適応感尺度)の分析結果を参考にして、各学級における質の改善をねらいとしています。
研修は、担任個人で考察したことを、グループで交流することで、それぞれの学級経営の状態を学級内にとどめずに全体への共有を図っていきました。
最後に、教師一人一人の今年の決意を発表し、教職員全体の士気を高めました。
■最後に
▼「アセス」という検査結果を基にした学級の児童を考察していますが、私たちが一番、気をつけなければならないことは、その検査結果だけで、「この子は、こういう子だ」と決めつけた認識になってはいけないということです。
検査結果は、あくまでも参考です。
また、このような子には、このように接すればよいという型というのもありません。人工知能など、これだけ科学技術が進んだ現在にあって、そのようなものができたとすれば、もはや、「教育者」は必要なくなります。
▼ある精神科医は、「子どもの教育を、頭で考えると判断を誤る」と指摘しています。
つまり、「頭で考えるより、子どもの気持ちを敏感に感じること」が大事だということです。これは、親御さんにも言えることです。
「頭は、主に情報処理するところ。過去を振り返り、未来を予測することが得意です。しかし、『今』と向き合うことが苦手です。一方で、『心』は違います。心は、身体とつながり、『今、ここ』に瞬時に必要なことをぱっと反応できる能力があります。人間は、頭と心をバランスよく使いながら文明を作り上げてきましたが、近年は頭の力を過大視して、頭で心をコントロールするべきという考えが強くなってきました。それは、生き物としての人間には不自然で有害な側面が大きいです。」
▼例えば、教育書や育児書などのマニュアルを参考にして、「子どもはこう育てるべきだ」「○○の時にはこのように関わらなければいけない」と画一的に考える人がいたとしたら、これは、頭中心の子育てであり、教育です。
頭を先行させると、目の前の子どもの状況よりもマニュアル通りにできているかが気になり、不安な気持ちが起きやすくなります。子どもの内発的成長につながらなくなってしまいます。
ですから、マニュアルや様々な情報(検査結果)は、参考程度にとどめ、まずは、先入観なしで、今現在の子どもと向き合うことが大事です。(過去の子どもと向き合うのではなく)
そして、教師自身がそうした先入観を捨てて、心で感じていることに自信をもつことが、確実に、一人一人の成長につながっていきます。
そのためにも教師自身の心のキャパを広げることと、授業改善が大事になってきます。
▼今朝(1月19日)のNHKを見ていると、広島カープの赤松真人選手が、一昨年の12月に胃癌のため胃の半分を切除し、昨年7月からチームに合流したというニュースが放映されていました。
その中で赤松選手は次のように言いました。
「当たり前のことが当たり前にできなくなる苦しさがある」
食べては、胃が苦しみ、抗がん剤を飲んでは、吐き、下痢をするなど、胃がん切除のため、これまで普通にできていた生活、練習が思うようにいかないというのです。
▼また、私の友人である、ある町の小学校の教頭先生は、昨年の12月に脳梗塞にかかりました。幸い、すぐに病院に行って適切な処置をしてもらったため、10日ほどで退院し、今現在は、職場に復帰しています。
1月のある研究会でお会いしたとき、この友人は次のように言っていました。
「このまま、半身不随になるのではないか。働けなくなったらこの先どうなるのだろうか?」
今後の人生を、そして、「命」というものを真剣に考えたということです。そして、この病気を機に、これまでの人生観が全く変わったと言うのです。
▼赤松選手と、友人に共通しているのは、「当たり前のように今生きていることが、実は当たり前ではない。だからこそ、いま生きていられることの瞬間瞬間に感謝して生きることが大事なのだ」ということではないでしょうか。
また、命というものは、自分のものではない。「与えられたものである」
また、自分というものは、「生かされているのである」 だからこそ、大切にしなければならない。
▼まず、教師自身が、「命」の有り難さをかみ締めて、子どもたちの前に立てば、子どもたちの様々な言動も、きっと見方が変わってくるのではないかと思います。
▼子どもの成長は、教育者の子どもの見方で大きく変わります。この子はだめな子だ。と思ってしまえば、そのようになっていきます。
▼昔の哲人の言葉に、「冬の桜の木を見て、桜の木は花の咲かない木だと思ってはいけない」とあります。
桜は春という時がきたら、必ず、人々に感動をあたえる花を開花させます。
子どもも同じです。今の子どもを見て、この子は、こういう子だ。こういう人間だ。と決して決めつけてはならないということです。
桜の木と同じように、一人一人の子どもには、今現在の姿には見えない「無限の可能性が秘められているのだ!」と見ることが大事でしょう。教師の、心豊かな見方、考え方こそ、これから大事になってきます。今日の研修も、結局は、私たち教師自身のこうした資質を向上させるものです。
これからも子どもたちのため、保護者や地域社会の期待に応えるために宜しくお願いします。皆さん、お疲れ様でした。そして、H研修部長、ありがとうございました。
■以上、研修会の内容でした。
標津小学校の教職員は、この研修会を通して、また一つ、価値ある大きな学びをすることができました。
最後まで、読んでくださり、ありがとうございました。
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